[読書]時間封鎖シリーズ、ついに完結!

すこし前の話しになってしまいますが、ロバート・チャールズ・ウィルスンの傑作、「時間封鎖」シリーズがついに完結しました。感想を書いていなかったのでまとめてポストしようと思います。

ある夜、空から星々が消え、月も消えた。翌朝、太陽は昇ったが、それは贋物だった……。周回軌道上にいた宇宙船が帰還し、乗組員は証言した。地球が一瞬に して暗黒の界面に包まれたあと、彼らは1週間すごしたのだ、と。だがその宇宙船が再突入したのは異変発生の直後だった――地球の時間だけが1億分の1の速 度になっていたのだ!

界面を作った存在を、人類は仮定体(仮定上での知性体)と名づけたが、正体は知れない。だが確かなのは――1億倍の速度で時間の流れる宇宙で太陽は巨星化 し、数十年で地球は太陽面に飲み込まれてしまうこと。人類は策を講じた。界面を突破してロケットで人間を火星へ送り、1億倍の速度でテラフォーミングし て、地球を救うための文明を育てるのだ。迫りくる最後の日を回避できるか。

《時間封鎖》ヒューゴー賞・ネビュラ賞をダブル受賞したゼロ年代最高のSF小説と銘打たれた評判に嘘偽りのない作品でした。
突然、地球は謎の膜に覆われて星空が見えなくなってしまいます。この膜は地球を包んだだけではなく、包まれたものの時間の流れを極端に遅くしてしまうというものでした。地球での1年が外の宇宙では1億年になることに気づいた人類は、人類の科学力では太刀打ちができないことを自覚し、時間の流れの速い宇宙・火星に人類を放ちます。地球の1億倍の速度で文明が進歩していく火星に、現状の打開を託して・・・

物語はジェイスン・ダイアンの双子とその隣に住むタイラーが中心となって進んでいきます。仮定体に魅力を感じ、科学者となって仮定体の謎に挑むジェイスンと、逆に仮定体に恐怖を感じ宗教へと没頭するタイラー。そんな二人を見守るタイラーの人間関係がとても魅力的でした。

40億年におよぶ地球の時間封鎖を解くと同時に、謎の超越存在“仮定体”は巨大なアーチを出現させた。それをくぐった先は、いずことも知れぬ未知の惑星 “新世界”。人類がこの星と自在に行き来し開拓をはじめて30年が過ぎたある日、失踪した父親を追う一人の女性が“新世界”に降り立つ。一方、この地に不 思議な能力をもつ少年が生まれ、ある流星雨の夜、大陸を謎の降灰が襲った!

《無限記憶》前作の時間封鎖から30年後の新しい世界でのストーリーです。登場人物のほとんどが新しいキャラクターで構成され、SFというよりは人間ドラマに重点がおかれているように感じました。内容は面白いですが、仮定体などの謎はほとんど解明されず、続編へのつなぎという印象が強くのこる作品でした。

時間封鎖を乗り越え繁栄を謳歌する地球人類。精神科医サンドラが担当する謎めいた少年が持つノートには、一万年後の未来に復活した人々の手記が綴られてい た。サンドラは巡査ボースと協力して少年とノートの謎を追うが、不自然な妨害に遭う。一方、手記中の未来世界では、十二個の惑星を連結した〈連環世界〉を 旅する移動都市国家が“仮定体”の謎を解き明かすべく、荒れ果てた地球をめざしていた。

《連環宇宙》年代的には前作の無限記憶より十年ほど前の地球が舞台となっていますが、ひとりの青年が自分の意識とは関係なく書いてしまうノートには、一万年後の地球のストーリーが描かれており、現在と一万年後の世界の両方がかわるがわる進んでいきます。

前作の伏線がこの連環宇宙で回収されており、安心して読み終えることができました。ただ、前作が発売されてかなり時間がたっていたので、思い出しながら読むのが大変でした。この三部作は一気に全部読むことをお勧めします。

全体的によくできた作品だなという印象をうけました。ここ数年で1,2番を争う作品だと思います。また時間があるときにじっくり読み返したいと思います。

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